第4章 東の国「ラヴァンス」

 ラナの目の前に広がるのは広い平原。そこを突き進むように続く道。お出迎えするように並んだ木々。ここが、外の世界。ラナは出発するとき、レオに言われたことを思い出した。

「いいか?外の世界にはモンスターがいる。東の平原にはピンクのモンスターが出るからな。気をつけろよ。」

ピンクのモンスター・・・確か、ピンクピッグだったような。ラナは自分の記憶をたどりながら、モンスターの名前を思い出した。ピンクピッグは、ピンク色をした豚のモンスターのこと。ピンクピッグの弱点は火。つまり、火の魔法を使えば払えるのだ。ラナは用心しながら道を歩いた。地図を見るとこの道をずっとたどると、ラヴァンスに着くらしい。

「ピンピー!ピンピー!」

変な鳴き声を聞いて、ラナは振り返った。そこにいたのは豚の姿に真珠のネックレスをしたモンスターだった。ラナは、自分の杖「星月杖」から、炎の魔法を出した。

「エイメリル!」

杖の先から炎の玉がポンッと出た。ピンクピッグに直撃する。

「ピギッ!ピギー」

悲鳴が聞こえて、ピンクピッグが倒れた。すうっと光の粒子になって消えていく。

「やった・・・やった~!」

あとからうれしさがこみあげてきた。初めてモンスターを倒したのだ。

「よーし!頑張るぞ~」

 それから、1時間後。ラナは、丁度ラフィオとラヴァンスの中間あたりにある休憩所にいた。小さな小屋の中でラナは荒い息を繰り返していた。ピンクピッグを倒した後、モンスターをガンガン倒しまくった。すばしっこいトカゲ「スリカゲ」や、虫のモンスター「ハチバチ」や「ギンギラチョウ」も倒した。一番強かったのは「ベビーレッド」と呼ばれる小さな赤いドラゴンだ。このドラゴンの親玉的存在がラフィオの守り神「レッドドラゴン」だ。それぞれの国には守り神のドラゴンが祀られている。いくら、赤ちゃんのドラゴンとはいえ、ドラゴンには違いない。とにかく、初めて外に出て1時間しかたってない者にとっては、強敵なのだ。息を整えた後、ラナは元気よく立ち上がり外に出た。あと残り半分。あと少しで東の国ラヴァンスに着くのだ。

「さあ!頑張ろ~!」

ラナは平原に通る一本道を歩き始めた。

 1時間後。ラナは大きな門の前に立っていた。とうとうラヴァンスに着いたのだ。

「門を開けてくださーい!」

外の門番兵が「開門!」と叫ぶ。すると、大きな門が盛大な音を立ててゆっくりと開いた。

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魔法の旅 雨宮翠菜 @seiya

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