第3章 旅立ち
ラナは、家に帰りつくと、真っ先に母親に報告した。
「母さん!職業決まったよ。」
「そうかい!例の旅人かい?」
「うん。明日には仕事がくるって。」
ラナは、階段を駆け上がり、自分の部屋に飛び込んだ。明日には仕事か来る。この国を飛び出せる。そう考えただけでワクワクしてくるのだ。その夜、ラナはなかなか眠りにつけなかった。
「う・・・ん。もう朝?」
気が付くと朝になっていた。
「あっ!今日からだっけ。」
ラナは飛び起き、着替えた。恰好は昨日とさして変わらず、白のシャツに、ジーンズだった。
「おはよう!母さん。」
リビングに入ると、母が朝ごはんの準備をしていた。
「おはよう。今日は早かったね。」
「早くて当然だよ。だって、今日からでしょ?」
「そうだったね。朝ごはん食べたらすぐに行くんでしょ?」
「うん!さっき、
そういって、見せたのは、白い封筒にギルドのマークが入った手紙だった。
「そう。なら、ご飯を準備しなくちゃね。」
ラナは、朝ごはんを急いで食べると、家を飛び出した。
「おはようございます!ラナさんですね。」
ギルドにつくと、昨日の女性が声をかけてきた。
「おはようございます。あの、仕事って?」
「はい!今日の仕事はラヴァンスに行ってもらうことです。」
ラヴァンスとは、ラフィオの東隣にある、二番目に大きい国だ。
「ラヴァンスに行ってなにをすればいいんですか?」
「ラヴァンスにも、ギルドがあります。そちらに伺ってもらえれば、ラヴァンスでの仕事がわかるでしょう。」
「わかりました!すぐに準備してきます!」
「はい!準備が終わりましたら、またこちらにお越しください。」
ラナは家に帰り、支度をした。大きなリュックに洋服、生活用品、食料、地図、方位磁石、杖、そして、先ほど、ギルドで渡された「入国許可書」。これさえあれば、どの国にも入れるようになるそうだ。
「母さん!行ってくるね!」
「しばらく会えなくなっちゃうけど、帰ってきたら話を聞かせてね。」
「うん!じゃあ、行ってきます!」
ラナは、ギルドに行った。
「準備が終わったようですね。では、東門のほうに行きましょう。」
ラフィオの東門はここから、歩いて15分ほど。しかし、重たい荷物を持っているので、20分かかってしまった。
「では、お気をつけて。魔法学校卒業生なので、魔法は自由に使ってもらって構いません。」
大きな東門が開いた。ラナにとっては初めての世界。
「ふうー。」
大きな深呼吸をしたあと、ラナは外の世界に足を踏み出した。
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