第2話

あ.....今日もいるな....。


ちらっと目の前の席に座って、音楽をイヤフォンで聞きながら寝ている「あの人」を見る。


顔は整っていて、話したことはないが気になる。


部活はバスケ部らしい。バスケットボールを抱いて寝ているからわかりやすい。


にしても私はなんでこの時間帯に電車に乗るようになったんだろう。


いまは夕方の6:15分。  いつもこの時間帯に電車に乗るのは「あの人」に会いたいからだ。


一言でいえば気になっている。  でも、違う高校だから話すことができない


それとなくみてみるものの、視線がぶつかることは今までで一度もなかった。


視線が絡むようなチャンスもないのだから向こうはこっちに気づいてないな。


なんて思いながらみていると


「あの人」が目をあけて、こちらをみている。


心を読まれちゃったかな...すいません!!


目線を外して、もう一度ちらっと見るとほほ笑んでくれた。


へえ....あんな笑顔なんだ....。  

初めてみた笑顔はとても爽やかで、見とれそうになったがこちらも笑顔を返すとびっくりしたようで、すぐ目をそらされ、また眠ってしまった



やっぱり、笑顔を返すのまずかったかな....?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

電車 海影 @kuraiya_nakitai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ