記録
正しい物と間違った物、どちらの道を選んでも人は進むしかない。
そして、一度間違った奴は二度と這い上がることは叶わない。欠伸が出る程に在り来たりな話だ。いや、在り来たりじゃない奴が数千万、数億いたら収拾付かなくなるから在り来たりな話ってのは存在して貰わないと困るんだけどな。
仮にある一つの面で『特別』だとしても、世界っつーデカい波の前にはどうしようもなく在り来たりに飲まれちまう。まあ、そういう現象を何度も浴びて、人は自分が歯車でしかないと諦観に塗れて生きる事になるわけだ。
……元四天王のお前が言うなって?
何言ってる、俺だって只の歯車だ。……歯車扱いも過大か。
師匠も友達も、なーんも守れずに逃げただけの屑だよ俺は。
盤面に上がるだなんだの話は、多分アイツや彼女がいなかったら縁のない遠い話だった筈だ。
何にせよ、俺がすべき事は既に見えている。
叩き落とされたアイツを引き上げる為に、分かりやすい失敗例を見せる事。敗者の記録がそこまで劇的な何かを与えられるかは疑問だが、可能性があるならやるべきだろう。
二つ目にして最後、それは――
いや、明言の必要はないか。
ともかく始めよう。
最初で最後の、とっくに連れ去られた青い春の話、希望と絶望の話を。
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