第2話




二階から二階への大ジャンプ。

幼い頃はよくやってたのに、久々にやってみると、それはスキージャンプのように長く、高く、そしてめちゃくちゃ怖かった……。




死ぬかと思った……





窓が開いた秋夜さんの部屋は、カーテンがクッション代わりとなり、わたしを受け止めてくれた。



「え、?うわあ、あああ」


飛んでる最中のわたしの絶叫と同じくらいの絶叫がカーテン越しに中から聞こえる。





何個かのカーテンレールを犠牲にしてわたしは無事、秋夜さんの部屋の床に足をつけたのだった。




ワンランク上がった気がする!!!!!!!!!!!!!!!!でもこのあとのこと何も考えてない!!!!!!!!!!!!




「は、春子ちゃん……?」


「秋夜さん……!!!!」




カーテン越しに躊躇いがちに呼ばれたわたしの名前に食い気味で反応を返す。



いざ、そこの女と合戦じゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



戦いの火蓋は切られた!!!!わたしは法螺貝を鳴らすかのごとくカーテンを思いっきり開いた。






その中にはわたしの大好きな秋夜さんと窓から見た通り美女が…………ン?ンンンン???????









顔はめちゃくちゃ美女、なんだけど、アレ……あ、この美女もしかして……めちゃくちゃ貧乳!!!!!!!!!!!!???










「男だ、バーカ!」


聞いたことない声と次の瞬間、パシン、と乾いた音が頭上で聞こえた。


「いったあああああ!?!?」


痛みよりももっと衝撃的なことを言われた気がする!



「え、男??!?」


わたしがわけがわからなくなって混乱していると、秋夜さんがまあ座りなよ、と声をかけてくれた。





yasasiiiiiiiii!!!!!!!!



あなたのために三つ編み瓶底してますっていまこそいうチャンスでは!?!?!?



「あ、秋夜さん……っ!あの」






「おい、秋夜!聞いてねえぞ、なんだこの地味女!!!!お前のストーカか?」




わたしの一世一代の告白をかき消すように美女(貧乳)は言った。




可愛くなかったら握りつぶしてたぞ!!!!クソォ!!!!




「あ、そうか紹介がまだだったね。こちらは佐原春子ちゃん。俺のお隣さんだよ。そして、春子ちゃん、こいつが藤永夏音、俺の大学の友達でれっきとした男だよ」




「ほ、本当に男なんですか!?!?!?」



「うん、そうだよ」







あーめん!!!!神様仏様!!!!わたしの恋のライバルはもしかして女装男子なのですか!!!!!!!!???






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地味でいったいなにが悪い @tanakaman

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