地味でいったいなにが悪い
@tanakaman
第1話
三つ編み二本に牛乳瓶の底みたいなメガネ、気がついたらわたしのトレードマークはこれになっていた。
わたし、佐原春子は典型的な地味子です。
小学生の時、髪をアレンジするのが流行って、両親が共働きのわたしは自分で図書館に通い、三つ編みを習得した。
初めは、褒めてくれてた友だちも次第に地味じゃね?とわたしが人生でもう何百万回と言われた言葉を影で話していたのを聞いた。
わたしだって地味になりたかったんじゃネーーーヨ!!!!!!!!!!!!!!!!バーカ!!!!バーカ!!!!
そのあとめちゃくちゃ泣いた
ちょうどそのとき、視力検査で引っかかり、メガネになることに。
地味と言われショックを受けたわたしは、お店の店員さんに勧められ、小学生の流行りのメガネを買うつもりだった。
しかし、わたしの視力はそんなメガネのサイズに合うレンズがないほど悪かったのだ。
悲しくて決めきれなかった親が、半ば強引に買った牛乳瓶の瓶底メガネだった。
それでも三つ編みと瓶底メガネをやめなかったのは、一度だけ隣のお兄ちゃんに褒められたことがあったから。
隣のお兄ちゃん、渡部秋夜さんはわたしの初恋の人。
地味なわたしをきっと受け入れてくれると信じている。
秋夜さん!!!!わたしあなたのために!!高校二年の今まで三つ編み瓶底ライフを続けましたよ!!!!!!!!!!!!
5歳年上の秋夜さんは進学のために家を出ていた。
今度帰ってきたら絶対に告白しようと思ってたのに……。
なのに……
帰ってきた秋夜さんの隣には美少女がいました。
黒髪ロングの清楚系。180cmある秋夜さんの横に170cmはありそうなスタイルのいい上品な方……美男美女。
考えないようにはしてたけど、やっぱり大学では彼女できるのか……。
いいや、まだ彼女と決まったわけじゃないから!!!!がんばれ!!!!春子!!!!
そんな気持ちで1日心配しながら過ごした。
そのわたしの気持ちを打ち砕くように、現実はひどいのです……。
わたしと秋夜さんの部屋は塀を挟んで隣で、勇気を出せば飛び込めるほどである。
わたしは、その日、秋夜さんの部屋でカーテン越しにあの美女が秋夜さんの目の前で上着を脱ぐのを見たのだ。
「う、うわあああああああああああああああああ」
もうどうにでもなれ!という精神で、わたしは秋夜さんの部屋に突っ込んだ。
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