普通じゃない自分に苦しむ
@yuuki1237
なぜ僕がいつもみんなと同じではないのか
なぜみんな自分を定義できるのか。それが僕にはわからないのだ。
なぜ自分が定義できないのか原因はわかっている。周りに僕を定義してくれる人がいないからだ。
普通の人は就活や受験で自分を定義することを強いられる。これが通過儀礼なのだ、といって友達同士で自分は何者なのかを定義し合う。そんな儀式を通してみんな生きている。
定義付けとは何か。それは世間からみて自分は何者なのかということを他者から定義してもらうことだ。面接で通るやり方は自分をめいいっぱいアピールする。だれかえらいと思われる人から定義付けをされてみんな大人になっていくわけだ。
僕はそれができない。友達がいないわけじゃない。だが、その友達は会うたびに機械に話、アニメの話、そしてゲームの話をしている奴らだから僕の人格どうこうよりも情報交換をし合うことしかしない。その中で普通の人のように普通の儀式的な定義付けができないのである。僕の友達は僕を定義することなく、ただただ自分の持っている情報を提供する。僕も自分の持っている情報を提供する。そうしあって友人関係を築いているのだ。
では、普通の人はどうなのか。普通の人は、世間で流行っていることを話題する。平たくいえばニュース、芸能だろう。誰々が不倫をした。だれかが殺しをした。それに対してなにかを言い合う。それだけではなく、世間で流行っているものを言い合ったりする。
これは一見僕の友達同士のコミュニケーションと同じように見えるだろうが、根本は違う。形式は同じでもそれほど同じなわけがない。普通の人は簡単に手に入る情報をつかってコミュニケーションをしている。テレビやヤフーニュースなどのインターネットサイトから簡単に情報が手に入る。
そして、鮮度が違う。流行はすぐに廃れる。そして、廃れた情報は意味がない。例えば、ショーンKEIの事件の内容を覚えているとしよう。それを2年後に話したとしても懐かしいという話だけで済み、その情報から会話は生まれない。そしてその情報は意味がないということになる。
僕たちの会話は2年前の情報であろうとそれが自分が全く知らなければ目新しいものとなる。例えば、ファミコンのCPUの話が上がったとしよう。普通の人なら、「そういう話があったんだ。」というだけで話は済む。だが、僕はそれだけでは終わらない。cpuの挙動がどうだったか、そしてグラフィックスを再現するためにハードの処理はどうしていたのか、という話を持っていくことができる。そういうすることで会話が生まれ、そして楽しくなる。
最初の話に戻る。自分を定義できないという理由はこの会話方法にあるのだ。僕は普通の話ができない。話の進み方が違う。それで、普通の人と話すと、絶対に誤差が出る。そこで、皆が言うのは、「相手に合わせ」というのだ。
それができればもうやっている。相手の情報がわからない。僕が渡した情報が相手にとって優良なものでないのかもしれない。僕のマニアックな情報、考えを相手に合わせるのは無理なのだ。いうなれば、全く違うOSの上で自分の環境で作ったプログラムを動かすようなものなのだ。
そういうわけで、僕は叫ぶ。
「普通に慣れだなんていうな!!!!」
普通じゃない自分に苦しむ @yuuki1237
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。普通じゃない自分に苦しむの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
皆と同じように生きられない最新/なぎ
★12 エッセイ・ノンフィクション 連載中 18話
結局人間なんてさ最新/なぎ
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 11話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます