【◀︎】xxx're my unreplayable memory.
「ねぇ君は、神様って信じるか」こんなことを訊くと、大抵陳腐なオチで終わっちゃうんだけどね、そういってあなたは笑った。
「ねぇ君は、生きる意味をどう捉える?」めんどくさい人間でごめんよ、はにかんだ横顔は美しかった。
切なさを運ぶ風。僕にはわからなかった、真意も、会話の向かう先も、このいわゆる哲学的議論に、学生風情が導く答えの居場所など些かさえあるのかも。
「終着駅って、胸が打ち震える言葉だとおもわないか。響きがすでにさ」
人生は、あてどのないSLだ。そんなのはみんな知ってるようで、誰も知らないことなんだ。
窓際に飾っていた花が、あなたの匂いを運んで100万回を更新したよ。いつかきっと会えるだろう。僕は信じてるよ、神秘主義は好きではないけれど。
そばにいたいよ。明日だって。こんなことをいうと、適正な距離が歪んじゃうよね、だからこれは心の中に閉じ込めた言葉だ。
あなたは人生をSLだといった。僕は、その言葉をどこかで聞いたことがある。きっとどこかしこで云われているんだろう。昔から。
砂嵐に目を閉じる。僕らは長生きするようになった、百年も、千年も、一万年も、いわゆる定命の檻から解き放たれた。低迷。永遠との締盟。時の底冥。
「円環の線路は、好きなところで終わりを決められるよね。いつだって」
あっという間に生に別れを告げた、そんなあなたの言葉だった。
世に。聖に。静に。
まだ止まらない涙が、あなたの口づけを薄めて1億回みたいだ。いつまで経っても会えないだろうか。僕は自信がないよ、魂は死んだらどこに行くんだ。
「爪痕を刻むことが記録だよ。刹那の情報をさ、物理的な傷として世界に残すんだ。できるだけ永いほうがいい。記憶だって一緒さ、脳に彫刻刀を振り上げて」
終わらない命があっても、滅ばない想い出はないみたいだ。宇宙は無情だ、法則は冷徹だ、流れは意地悪だ、だけどあなたの声だけは、
いつまでも、透き通るようにいたいけだ。
「ねぇ君は、神様って信じるか」僕は信じないよ。正確にいうと、どっちでもいいんだ。救われる人だけ信じればいい。僕は救われない。
「ねぇ君は、生きる意味をどう捉える?」生きることに意味なんてないよ。でもあなたを愛することにだけは、たぶん意味があったようにおもうんだよ。
切なさを運ぶ風。僕にはわかっていた、永遠がないことも、いつか忘れることも、呼べなくなることも、ひとつになんてなれるはずがないことも。
「終着駅って、胸が打ち震える言葉だとおもわないか。響きがすでにさ」
僕はいつまでもあなたと、始発を繰り返していたかった。そんなのは懐古主義だっていうだろうか、だけど僕の本心だ。
窓際に飾っていた花が、xxxの匂いを運んで100万回を更新したよ。いつかきっと逢えるだろう。僕は信じてるよ、誰に会いたかったかは忘れたけれど。
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