割れかけ



いつまでたったってさ 同じ情景ばかりをつぶやき返して

全然進歩がないじゃないか?

朝焼けを背にれなずむ 昇らない自尊心を携えて


特に何か真新しいわけでもない 文字の羅列を開いては消し

情報とすら呼べない黒の奔流に 魂を預け流すんだろう、ね


僕らどこに行きたいんだろう 君は知ってるのかな

見据えた明日が正解かなんて いくら悩んでも見つからないよ

眠れないんだ、口をついて出た台詞は

今日初めて音にした、唯一の自分の声だった


転がり続ける しなびたベッドの真上で

急転直下でもいい 代わり映えのある生き様を夢見るが

埃っぽい酸素にむせた喉の奥で

消えそうなあの日の山火事に薪をべるしかない日常

朝焼けを背に昏れなずむ 昇らない自尊心を携えて

眠れないんだ、口をついて出た台詞は

今日初めて音にした、唯一の自分の声だった






どこまで行ったってさ 同じことでくよくよ悩んで

そろそろ飽きたんじゃないか?

いいや、それがまだそうでもないらしい

どうも困ったもんだ、全くね


鯖を読んだ能力の実情を隠し通せると思ったか

残念だね、そんなのとっくにバレ切ってるんだよ 知らなかったかい


僕は何を言いたいんだろうね 君が知るはずないな

進めた駒がいつかは王手を導くか どんなに読もうがわからないんだ

褒められたいんだ、書き込んで消去した愚情は

形にする前からもう、詰みが決まっていたようなものだ


重なり続ける 捨てた紙束の真上に

最悪炎上でもいい 燃え盛る未来を踊らせて

飾りっぽい挨拶さえ嬉しめる 惰性の日々を

quit() の一言だけで 脱却できたらどんなに楽か

真夜中を指し得意げに 闇の色を数える虚しさを

眠れないんだ、口をついて出た台詞で

掻き消そうとしたが駄目だった、針はもう朝を回す






楽しげな旋律に どんな想いを溶かして混ぜる

憂いを捧げてさ こんなに青く潰したっていいんだ別にさ

悲しげな戦慄を どんな想いが溶かして混ぜる

拳を固めてさ  どんなに酷く潰したっていいんだ僕はさ

空き箱の空白を どんな想いで色付け埋める

希望を並べてさ どんなに蒼く染めたって構わないさ僕は




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