GiNiWt.suicide.self



海豹アザラシの夢

琥珀の固形

朝凪の木漏れ陽


嘲笑った

あの子のスカート

抜けたカルキの匂い


鮮やかに散りばめられた光 白い

閉じた瞼と 締まる胸


熱を奪う水

冬のプール


氷河の旅 刀の肩慣らし アラバスタの宝飾

飄々と唄う彼地かのちのトーテム 新世界の扉 灯り

厳かに取り出された命 穿ち

止まる流れに 腫れる顔

温くなった水

夜の箱庭


碧翠のあおみどり 波面がゆたり ゆたりと足を掬い揺れる

重い想ひ思ひ煩ひて くたりと小首を傾げ笑う

華山かざんかざらん朝日の裏で

沈み消えゆく御霊音みたまのね 幾許かのみ救ひて零さむ






不知火しらぬいの雨 蝦蟇のがまがえる ほど十六夜いざよいの月景色

白髪まみれのざらつく発声 熟れた果実の酸味

荒屋あばらやに切り詰められた渇き 恨み

下卑た呻きと がなる槌

かち割れる影

冬のプール


茅蜩ヒグラシの番い ドトールの湯気 ビラ配りの退屈

駆け抜けていく抜け殻の残像 あゝああ a. 欠伸あくびの死相

図らずも駆け落ちる若菜 蒼く

齧った契り 遅い海

弾ける轟音

夜の箱庭


碧翠の波面がのたり のたりと足を掬い揺れる

重い想ひ思ひ煩ひて 苦謝亥くしゃりと小皺を刻み笑う

華山飾らん朝日の裏で

沈み消えゆく御霊音みたまのね 幾許かのみ救ひて零さむ






海豹の悠冥ゆめ

琥珀の孤閨こけい

ァ. さなぎの子漏れ日


痣、笑った

あの子の刳傷スカー

抜けた狩るの匂い


鮮やかに鏤めちりば られた火雁ひかり しろ

綴じた瞼と 絞まる胸


熱を奪う水

熱を奪う水


氷河のたび

過多なのか「タ」鳴らし

雪花石膏アラバスタの飽食


雹豹と謳う

彼血かのちのトーテム

真世界のとび Lääkäriラーカリ


厳かに取り出された威の智 穿ち

止まる流れに 晴れるかお


夜の箱庭

夜の箱庭


碧海取あおみどりの破面がことり ことりと足を巣喰い揺れる

重い想ひ思ひ煩ひて くぱりと小口を広げ笑う

華山飾らん朝日の裏で

沈み消えゆく御霊のね 逝く貘の夢 救って零さむ






沈み消えゆく御霊音みたまのね 幾許かのみ救ひて零さむ





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