鎌倉の何処かには

作者 穂実田 凪

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★★★ Excellent!!!

 私は大学時代京都にいたのですが、たまに早朝に原付バイクで嵐山に行ったりしていました。
 嵐山では何をするでもなく散歩したり、川の流れをぼんやりと眺めたりしていたのですが、すると不思議と癒されて元気になることができました。
 私は鎌倉には一度も行ったことがないのですが、おそらく京都と同じように人の心を癒す力のようなものがあるのではないかと感じました。

★★★ Excellent!!!

紹介文に、作者様の「体験談」とありますが、作品の前半部分に関しては、私にも似たような経験があります。己の限界を悟った時、目に見える世界は急速に色褪せ、身の置き所がなくなったように感じる…。何かを楽しもうという気持ちも起こらず、誰かに相談したいという気持ちにもなれない…。

そんな心持ちで外に飛び出した主人公は、偶然向かったとある寺で、大切な何かを実感し、見えなくなっていたものを取り戻していきます。その過程の心理描写が、とてもリアルです。

ラスト、不思議な体験をした主人公の言葉には、作者様の敬虔なお人柄が滲み出ているようで、大変心に沁みました。

★★★ Excellent!!!

忙しない日々に疲れて、世界が薄く霞んでしまう。
「何もしたくない」しかなくなりそうな自分への危機感。

慌ててバイクを駆って出た午前5時、
導かれるように、鎌倉への道を選んだ。

どことも知れない仏閣に佇み、
生きている感覚が取り戻されていく描写に、
読み手の心も満たされていくようで。
その穏やかで健やかな読後感、すごく好き。

★★ Very Good!!

鎌倉といえば、有名な神社仏閣が多いと思うが、敢えて無名な(?)場所を取り上げて、作者様がお感じになられた、ふとした情景を描いておられます。

それでも、疲労を癒し、心の澱を浄化するようなパワーが眠っていると思うと、いつしか訪れてみたいなと思いました。
実体験をもとに書かれているということで、その信憑性が一段と伝わってきます。