私にはなにもない。

第1話

私には両親がいる

兄がいる

ペットもいる

友人だっている

だが、私にはなにもない

なにもないのだ

32歳バツ1

子供はいない

最近主婦当時勤務していたアルバイト先も退職した

今はひたすら実家に引きこもり

毎日毎日虚無感に襲われている

なぜこうなったのか

平凡ではあるが、ある程度上手く生きてきたつもりだった

30代で離婚という初めての挫折

胸を抉られた

生きる意味が見出せなかった

時間が解決してくれる

周りは口を揃えてそう言う

人間は悲しみは忘れていく生き物だという

その通り随分と悲しみは無くなった

同時に自分がわからなくなっていった

はじめに述べた通り私の周りには幸いにも支えてくれる人がいる

だが、私は人間として面白味もない、なにももたない人間なのだ

時間は大いにある

私は幼少期から遡って考えてみた