第4話 私の宝物

 目を開けると、私はモニュメントの上で横になっていた。

 太陽の位置は高く、少女もいない。

「……やっぱり夢だったんだ」



 帰宅後、私はアルバムや思い出の品を集めた。

 夢の影響だろうか、なんとなく思い出にひたりたかった。


 アルバムをめくっていくと、その中の一枚に目が留まった。

「あ……」

 それは、昔、モニュメント前で出会った少女と取った写真。

 星が好きな黒髪の女の子。

 その姿は夢の少女とそっくりだった。



 アルバムを見ているだけで夜になっていた。

 時間が経つのがとても早い。

 次の休日から散歩は思い出めぐりが目的になった。




 思い出めぐりで町を歩くのは楽しくて、はまってしまった。




 私は今日もまた、思い出を手に町を歩く。

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月の夢 如月李緒 @empty_moon556

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