憑依型の輪廻転生をしても、性根のひきこもり体質は変わらず、魔術の研鑽だけに身を捧げる主人公。
家系の呪縛からは逃れられず、二十歳にして結婚という転機が訪れ、アリシアという美少女を貰うが……彼女には彼女の事情があった。
周りが主人公にゲロ甘いので、ストレスフリーで淡々と進むかなーっと思って油断していたところからの嫁さんの変貌ぶりというか、「えっ?」って言いたくなる急降下には驚きますが、起伏のあるストーリーに引き込まれます。
外界に戸惑いながらもデートっぽいものをしたり、パパンとママンが夫婦喧嘩し、逃避行の最中に畜生働きの盗賊に襲われるなど、色々とドラマがありつつもさらさら読めていきます。
終盤では主人公がアリシアとの確執(難事)を片付けにメイドのノエルと一緒に旅立つのですが、きちんと行先でも水賊とやり合って成長していたり、嫁さんの実家には退屈させない素敵なゲス役もいます。わかりやすい悪党成敗はいいですよね。
敵役と決着をつけても更にもうひとひねり。人間、なかなかうまくいかないものでした。
世情の困難がありつつ、最後には吃音症は治らずとも、男を見せるのでハッピーエンド。基本的に主人公はめっちゃ強い。
面白かったです。