009 裁判
1
「被告人、前へ。」
広い裁判所だ、何百人もの人がいる。まぁおそらく、俺を弁護はおろか、味方してくれる人はいないだろう。それに、俺の周りに立つ白いローブのこいつらは魔導士か、わかりやすい杖だ。
「拘束しろ。」
「「「六十の鎖」」」
全身を鎖で縛られるように感じた。束縛魔法。これがあるということは、俺が犯人だと思っているだろう。
「此度の2番隊全滅事件について、現場に残された残留魔力から、強い闇属性の魔力の反応を検知した。そなたの魔力は混じり気のない闇。我々が言いたいことはわかるな?なにか反論はあるかな。」
「どうせ、聞いちゃくれないだろ。」
裁判長はニヤリと笑った。
「判決。騎士4名の殺害、有罪判決。貴様を死け」
「まてっ。」
裁判所内に若い男の声が響く。
「その罪人、死刑にするなら我々にくれはしないか?我々、「魔龍の爪」に彼を迎えいれたい。」
なんだあの男は。魔龍の爪?
「何を言う!騎士隊殺しの重罪人だぞ⁉︎」
「彼は殺していない。そんな純粋な闇の属性。闇落ちした人間程度に操れるものか。そいつは…」
話の間に男の身体は光だし、身体が変化し、男は黄金の翼を持つ天馬に変身した。
「そいつには、幻獣がいる。純粋な闇など、人間に操れる訳がない。」
「幻獣だと。何を根拠に。」
幻獣?幻獣とはいったい?
「ふっ、そこの魔導士ども、下がったほうがいいぞ。」
魔導士たちが一歩下がる。
「シンジくん、君を縛る魔法を破壊してみてくれ、強いイメージを持って、喋らず、逃げず。」
「なぜ俺の名を。」
「それはまた後で。今はイメージするんだ。」
イメージ。この鎖を壊す。壊す。壊す!
バリンッ!!
魔法が壊れる。
「シンジくん。どうイメージした?」
「鎖を食いちぎるイメージを。」
「なるほど。」
「さぁ!証明は終わりです。シンジくんは。我々、魔龍の爪が預からせていただく。反論はないな。」
一歩。俺はどうなるんだ…
2
幻獣とは、神に近い力を持つ獣、様々な姿と力を持ち、幻獣が選んだものに宿り、力を与える。幻獣に選ばれたものを幻獣士と呼び、国は、強すぎる彼らを不安視し、彼らを1つの騎士団として、隔離した。それが、『
「幻獣と魔龍の爪についての説明はこんなものかな。」
「はぁ、、」
「まぁ、まだわからなくてもいいさ。僕の名前は、アカバネ ショウ ショウと呼んでくれ。」
「アカバネさ、、、アカバネ ショウ⁉︎え、もしかして、君の出身、、」
「あぁ、君と同じ、日本出身だ。赤羽 翔 って漢字では書くよ。」
「あなたも、転生を、、、」
「転生とは違うんだ。僕は世界を行き来出来るんだ。」
「‼︎ じゃあ、あなたも、ねむれて、、、」
「ねむれて?眠れてはいるよ。転生のストレスとかで眠れないのか?」
「いや、そうじゃなくて、、、」
シンジはショウに、自分の状態と、これまでのことを話た。
「うーん、それは幻獣の力だよ。幻獣は色々な種類がいて、それぞれ能力が違う。僕はペガサスが宿っている。能力は移動。僕はペガサスの力で、世界を移動しているんだ。しかし、眠れない能力って、いったい、、、ともかく!今はみんなに君を紹介したい。魔龍の爪の本部へ行くぞ、ついてきてくれ。」
能力、闇もその1つなのか、、、
ショウに連れられてきたのは街にある、一軒の屋敷だった。中はいたって、普通で、王国を嫌われ者の騎士団がいるとは思えないほどだった。
奥の会議室に、6人椅子に座っていた。
ケルベロスの願い 東京水族園 @tokyosuizokuen
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