第4話 使命
第4話 使命
「私たちだって、ずっと気になっていたの。
私は、一応巫女だけど、巫女らしさなんて一欠片もなくて、なんで巫女なんてやっているのかずっと考えてた。
あなた達と同じ力が私にもあるなら、これからも巫女として生きて行けるかもしれない。
だから、私たちとも戦ってくれないかしら。」
そう言い放ったレイナ似少女は、手にした空白の書を光り輝かせた。
「姉御。
ここは、期待に応えるべきじゃないですか?」
「そうね、ここは女の意地って事で。
あと、巫女の先輩として手本を見せなくちゃね。」
そして、レイナとシェインも空白の書を手に、レイナ似の少女とシェイン似の少女のもとへ駆け寄った。
「俺たちが凸凹コンビなら、御嬢とシェインはボケとツッコミコンビってとこか。」
笑ってレイナとシェインを見送るタオとエクス。
少女のもとに駆け寄るレイナが急に立ち止まり、タオを怒ったような笑顔で睨みつけた。
「タオ、後でちょっと話があるんだけど!」
それを聞いたタオは、恐怖でとっさにエクスの後ろへ隠れた。
エクスが応援する中、レイナとシェイン、そしてレイナ似の少女とシェイン似の少女の戦いが始まった。
戦いの中、4人ともお互いに楽しいといった表情をしている。
お互いに一歩も引かず、お互いに力を出し切り、そして戦い合った。
決着は、なんとかレイナとシェインの勝利といった所だろうか。
しかし、戦闘後何かを感じ取ったレイナ似の少女。
「こんな事で、何かが変わるわけないのよね・・・
でも、なんだかすっきりしたわ。
ありがとう。」
そう言って、レイナ似の少女は一行に手を振った。
この想区で生きるレイナ似の少女とシェイン似の少女。そして、タオ似の青年とエクス似の少年は、皆が同じ気持ちで、レイナ達一行の背中をただただ笑顔で見送りながら想っていた。
“言い伝えのような答えは出なかったけど、この書を持っている事に意味があるのかもしれない”と。
不思議な想区を去り、次の想区へ向かう一行。
エクスは不安な顔をしながら、村にいる4人を思い出していた。
「あの4人、大丈夫かな。」
エクスの不安を吹き飛ばすように、タオがエクスの肩を組みニヤけた顔で話しかけた。
「大丈夫だろ。
それこそ、またヴィランが現れたら、あいつらがなんとかしてくれるだろうから。」
「そうだね。」
タオの言葉に、エクスの顔から不安が消えていった。
笑顔を取り戻したエクスにレイナが笑いながら、
「そうでなくちゃ困るわよ。
だって、あっちの巫女にもそれなりに頑張ってもらわないとなんだから。」
皆が、あの村はもう大丈夫だと信じ、次の想区へ向かっていった。
エピローグ
レイナ: 「ところで、タオ・・・・
さっきの事だけど、あれはどういう意味?!」
タオ: 「あ~・・・あれは冗談だよ。冗談。」
エクス: 「あのさ、皆・・・
言いにくいんだけど・・・・・
この先、また分かれ道があるんだけど・・・・・
え~っと・・・どっちに行く?」
シェイン:「姉御。
もう、道間違えないでくださいね。」
タオ: 「もちろん、御嬢の選んだ逆方向に決まってるだろ!」
レイナ: 「・・・・・しょうがないわね。
そういうことにしてあげるわよ!」
シェイン: 「姉御・・・・」
エクス: 「じゃ、じゃぁどっちにしようか・・・?」
レイナ: 「こっちはどうかしら?」
タオ・シェイン:「じゃぁこっちで!」×2
レイナ: 「なんか納得いかないわね・・・」
エクス: 「じゃ、じゃぁ行こうか。」
“何もない”が存在する世界 風見☆渚 @kazami_nagisa
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