最初の出会い

目を開けるとそこは砂漠だった。

正確に言うと砂浜の砂でできたような白い砂漠だった。


そして中学生ぐらいの男子が嬉しそうに、

うずくまり泣き続ける太った男子をバットで殴り続けていた。


カオスなのにはもう慣れた。


それにしても生々しい。

間違いなくアイツらは人間で実体がある…!

もちろん僕も!


「おーい!」

嬉しくなって

笑顔でバットの少年に駆け寄ると、

「黙れ!」

瞬間少年はビビッて固まった僕を拳銃で撃った。

着弾とともに堰を切ったように流れ出る

僕の血は、鼻血よりも濃くはなかった。


・笑顔で挨拶しただけで僕はあんなガキに撃たれた。

・あのガキが撃った弾で僕の体は少し突き飛ばされた。


頭では整理しきれない理屈よりもこの事実が僕の体を動かした。

僕は驚いた表情で見つめ立ち尽くす少年に駆け寄り力いっぱい顔面を殴った。


次の瞬間、

少年は血を流すことなく原型を保ったまま

漫画のように青空へ飛んでいった。

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儚巣 鹿野プフ @KanoPufu

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