その微笑みも、どこかぼんやりとして

光源氏の母であり、桐壺帝の寵愛を一身に受けた、桐壺の更衣。
彼女は幸せだったのだろうか。
様々な悪意に晒されてなお、微笑みを失わなかった珠子。
怒りも悲しみも見えてこないからこそ切なさが募る。
微笑んだ貌の内で、真に笑んでいたのか。
存在自体が霞のような。
そんな、朧げな印象を受けた。