works/1177354054880234341
『告白なんて、できっこない!? ~それでも俺は、恋をする~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880234341/episodes/1177354054880234562
割れ窓理論しかり、堤防の蟻しかり、物事の前提を覆すには、前例をただ一つ作ればそれで済む。
恋とはまさにそういった暴虐の一形態であって、故に、大抵の事件は恋を理由に引き起こせるのだ。例えばそれは刃物を使ったMRIであったり、刃物を使って声優を脅迫することであったりする。
極めて単純化すれば、漫画は絵であり、小説は文字列である。
文字コードが一次元であれば文字列は確かに二次元だし、文字を画像化してもそのまま二次元なのだけれど、小説を読むに際し、それを文字として認識するのは、文字通りの活字中毒者、ないしフォント偏愛者くらいのものであって、正直な所、ライトノベルの類を安易に二次元と括るのも、些か憚られる。
小説は文字の示す世界を読者の脳内で構築して読むものであり、何かしらの宗教における九次元論では精神は五次元くらいだった気がするので、小説は五次元の産物と言うことも全くの不可能ではなく、あるいは恋とは、二次元も三次元も等しき低次元たる存在として扱うことにより、同列に配置し直す、自死にも近い自虐なのだろう。
三次元への恋だけでは辿り着けなかった、二次元への恋だけでは気付けなかった、どこまでも自虐的な救いが、読者の身にも心地よい物語だった。
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