第5話 裏優奈

紘介の耳元で私は語った


「なら死ねばよかったのに」


紘介は絶望に満ちた顔。

その顔、たまらない。

人が絶望に陥る顔って、ホント、いいよね。


「縦にすれば、すぐにでも死ねるんじゃない?動脈を6~7cm切れば、

人は死ねる確率が高いらしいけど?」


紘介は絶望というか、何か新しいことを見つけたような顔をしていた。




次の日、朝から私の家に電話がかかってきた。

紘介の母親からだった。

「紘介が、重体なの!」

ヒステリックに叫ぶ紘介の母親。

「朝、起しに行ってみたら、布団が血だらけで…!

カッターで、腕を縦に切っていたの…

優奈ちゃん、すぐにきてくれない!?」

「わかりました。すぐに行きます!」

電話を切って、私はニヤッと笑う。

やった、紘介も

私の思い通りになった。



ーEND-

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私の彼氏は自傷癖です。 露草 @chisato_hiyoko

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