第15話 闇は暁を求めて
私の病状も大分回復したと言っていい。
2020年は世界的なコロナウイルスの大流行で多くの命が失われた。ひとつの命が消えるということはどういうことだろうか。例えば僕のおじいさんがコロナでなくなったとする。僕はおじいさんが本当に好きだから泣くだろう。おばあさんも長年連れ添った伴侶を失い悲しみにくれるであろう。ぼくのお父さんもまた、同じだろう。1人の命の重みは計り知れない。僕はそのことを数で考えて欲しくないのだ。決して数ではない。1つの命の重みを軽視して欲しくないと僕は思うのである。
しかして、闇はいつまでも闇という訳では無い。例えば暗闇に1つのロウソクを入れると、途端に闇は打ち砕かれ、全てが明かりに包まれるのである。
そんなふうに僕の病状も安定してきて、四年という歳月がかかったが、うつ病を克服しつつあるのである。
この四年間、朝の光が怖かった。暗闇に身を潜めて、一日が終わるのを嬉しく思った。悲しく思った。私の青春は半分は明るかったが半分は暗かった。
ただ、得たものは大きい。苦しい時の一歩というのは、調子がいい時の一歩と比べて何万倍もの価値をもつ。
私はナメクジだった。決して速くは走れなかった。しかして私はそれでも歩みを止めなかった。そして、不死鳥の如く、倒れても倒れても何度でも蘇るのである。
運命が残酷な仕打ちをしようが、私はそれでも前進する。雨が降ろうが雪が降ろうが、突風が私をさらってしまいそうになろうが、ただ、忍び、耐え、そして、前進するのだ。
朝の光は雪を溶かして、人々に希望を送る。
私たちは無上の愛を受けている。感謝感謝だ。
私は今こそ声を大にして叫びたい。
冬は必ず春となる
乗り越えられない壁はない。
そして、私は勝ったのである。
次はあなたの番なのだ。
私はあなたの勝利をひたぶるに祈っている。
栄光の自分史に、新たな勝利の1ページを!
苦闘は賞賛に変わるのである。
苦しい時こそ信じるのである。
必ず勝つ。
夜更けに想う陽の光はこれにて終わらせていただく。
読んでくださった読者の皆様ありがとうございました。
随筆 夜更けに想う、日の光 かさかさたろう @kasakasatarou
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