第20.5話ん~?①~⑤

ーん~?①ー

(つかさ目線)

「いっちゃん、何か僕達完全に蚊帳の外じゃないかい?」


「つかさあきらめよ、あすかはそれだけ真剣なんだから」


そんなこと言われたら僕の天の邪鬼としての性がうずいてうずいて仕方ないじゃないか。


「つかさちゃん今は黙って見守ろう」


桃色空気に圧されてゆうみが標準語になってる。


「い~や~だ~!こんな展開僕は求めてないよ~何とか邪魔して…!!」


何とかこの桃色空気に割り込もうとしたらふたりを見守っていた鬼と一人の鬼神が殺気全開の目で訴えてきた。


『 しない 』 〈もとのぶ〉

『邪魔『するんじゃないわよ』〈レンさん〉

『しちゃダ~メ 』〈大家さん〉


視線だけで殺せるとは正にこの事か。



ーん~?②ー

(いつき目線)

アケハさんとレンゲさんが居るのがついにバレちゃったか。にしてもアカちゃんはホントヘタレだな~、あすかだって何時までも子どもじゃないんだから100年も200年もはぐらかせる訳じゃないのに。


確か昔、あすかがどっかのお姫さまにされそうになったときアカちゃんかなり大暴れしたことがあったっけ。


ホントはアカちゃんもまんざらじゃないくせに何でなんだろう?もっと自分の気持ちに素直になれば良いのにな。


ん~~~。


横でいつき兄が子どもをみる親の眼差しでたく兄を見てる。



ーん~?③ー

(レン、ゆめ、もとのぶ目線)

「ホント焦れったいはねあの二人」


「桃色の光線がわたしの体を焼き付くそうとしている」


「母さんは応援してるのか反対してるのどっち?」


娘の色恋にここまで苛立つ親がいるだろうか。

ゆめもゆめで訳のわからないことを言ってるし。


「応援してるに決まってるでしょ!!!」


眼がコワイ…。


「あすかの事なんだから見守ってやっても…」


「くっつくならくっつく、押してダメなら引いてみるそゆ回りくどいの母さん嫌いなの」


その押しの強さで俺たちのオヤジ達を手にいれたのか。

ちなみに俺たちは三人とも父親が違う。

あすかの茨木童子。本当は偉薔薇姫いばらき童子と書く。あすかの父親が生まれたあすかの祝いに薔薇の花を贈ったからそう名付けられた。

オレとゆめも本来の漢字はゆめが黄瞳丸きどうまる、黄色の瞳をもって生まれ、祝いに琥珀のぎょくを贈られたから。

でオレの八瀬童子は夜頼やせ童子。単純明快親が源頼光だから夜にしか会えずまんま同じ字を使うわけにもいかないからさんずいをつけてってことらしい、母さんの血が強すぎて半妖じゃなくて殆ど妖怪と同じ、これが本来の俺たちの名前の由来。

余談で母さんの酒呑童子は酒天しゅてん、酒好きな天女、その当時はかなりモテたらしいがどこが天女なんだか。



ーん~?④ー

(ゆうみ目線)

ん~~~~~……………………………


…………………………


……………………………


……………………………。


次はラブコメを書いてみよ。



ーん~?⑤ー

(大家さん、レンゲさん、アケハさん目線)


「若いって良いわね」


「そうですね」


「同じく」


この3人は中々に老け込んだ話をしてるな~。


「早く孫の顔が見たいわ」


「大家さん、何時からおばあちゃんになったんですか?」


「わたしにとってはみんなかわいい子どもみたいなものよ。子ども…可愛いじゃない」


大家さんが言うと何か怖い。


「食べてはいけませんよ」


「確かに」


「食べませんよ失礼な」


二人に子どもができたら全力で守らねば。


「いつきくん、のぶちゃん何か言いたいことでも」


「「 いえいえ 」」


鬼子母神は昔、子どもをさらって喰っていた、大家さんはかなりの前科持ちである。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鬼の住む森 遊真蘭戸 @yuumarando

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ