このノートを見つけた貴方へ


 この日記にたどり着いたってことは、多分私にごく近い人なんだと思うけど、それでも一応忠告をしておきます。

 まずこの手紙を書いているのは二一才の私です。

 そして、ここに詰められている日記は小学校に入学した年からこっそりと書き続けてきたありのままの私の本当の気持ちが綴られたものです。


 はっきり言います。

 この日記に書かれているのは、母とそれから父と、幼いころの私との闘いの記録にほかなりません。ただしこの日記には一切暴力が含まれていません。

 それでも私は言い切ります。この日記は私と、両親との闘いの記録である、と。

 私はこれらを隠すつもりもありませんし、見られたくないとも思いません。

 しかし、恐らくこれを見たアナタは気分が悪くなるかと思います。


 そういう意味での、忠告です。

 なんで私がこんなことを書き残しているのかといえば、もうそろそろ二二才になる私の一つの節目、だと思っていただければな、と。

 ここに残っているのは、すべて終わった話です。決着のついた話です。

 何より決別した話です。

 私は恐らく幸福に生きています。それだけを留意していただければ、後顧の憂いなくこの日記を残すことができます。

 願わくば、私の経験が私だけの経験でありますように。

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