【短編限定】より良い作品を書くための意見交流会3 より失礼します。
意見交流ということで率直な意見を書かせていただきます!
良かった点
・展開と強弱。重い場面(いじめや暴力)と軽い場面(言葉遊びやユーモア)のコントラストがあって、互いに印象を強めていると思いました。
・短編におさまる謎解き。1で展開された記憶喪失の謎を2で回収(ついでに3で笑い付きの落ち)。読んでいて気持ちが良かったです。
気になった点
・物語のさわりであるはずの、冨田の死を乗り越える主人公の心理描写が軽く感じられ、物語全体の色調を損なっていると思いました。謎(記憶喪失)に対する解答(記憶喪失の原因、行動の動機)を淡白に提示してあとは読者の想像に委ねるか、主人公がどん底に沈む描写と同じ厚みで、冨田の死を乗り越える過程を精緻に描き出すか、そのいずれかが良いのかなと感じました。
良し悪し、あくまで私見です。
他の方が書いているように、全体として印象深い、面白い小説でした。
作者からの返信
読んでいただきありがとうございます。丁寧に読み込んで、意見をよせてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。頂いた意見を参考に改善させていただきますね。本当にありがとうございました。
「自分の小説のどこをどう直したらいいかみんなで意見交換してみよう」企画参加ありがとうございます。
最後まで読ませていただきました。
いやー、面白い。
web小説ですとけっこうな確率で「ここがちょっと惜しいな」という記述が見つかるのですが、この話はすっきりまとまっていて途中の叙述トリック(を、狙ってなかったらすみません)と謎解きを含めて楽しませていただきました。
個人的には、面白さを感じる理由としては、
1.「死んだではなく記憶喪失というソフトな障害からのスタート」
※昨今のweb小説って転生させることもあり、○○さんが死んだっていう重い描写が多い
2.学校&いじめという取っつきやすいテーマで、登場人物が理不尽な性格をしていない。
そして何と言っても、
3.記憶喪失という状況を上手く活かし、複数の証言者を用意する事で情報をすっきりと提示してくれている。
ここですね。「わからん⇒ああ、なるほど」の間に、”知りたい”をきちんと用意してくれてます。
一点、カレーについての話題が出た箇所でもう少し(過剰な押し付けにならない程度に数行ほど)美味しそうな描写を増やしたら主人公の日常がぐっと引き立つのではないでしょうか?
カレーパンやカレーラーメンなどというメニューだけではなく、ご家庭のカレーならではの隠し味、具材、料理手順などなどあれば「あ、美味しそうなカレー食ってんだな」という日常描写が印象深くなると思います。タイトルにもカレー入っていますし。
作者からの返信
こちらこそ企画に参加させていただきありがとうございます。
面白かったと言っていただけてとても嬉しいです。トリックというほどのものでもないのですが、謎を追って読んでほしい気持ちで書いていたので、知りたいと思っていただけたなら少しは成功しているかなと自信が持てました。
カレーの描写は、確かにそうですね。私的にこの話はカレーを粗末にしてしまう場面があるので、あまり書き込まない方がいいかなぁと思っていたのですが、読んだ方からカレーが食べたくなりますというコメントをよく頂きますし、アドバイスどおり美味しそうなカレーの描写を加えてみようかなぁと思います。貴重なご意見をありがとうございました。
最後まで読んで「どこが『WEB小説向きじゃない』のだろう?」と少し疑問でした。WEB小説として、十分面白い作品だと思ったからです。
考えるうちに「もしかしたらエンターテイメント性が低いと作者様は感じておられるのかもしれない」と想像してしまいました。
二話目にあった虐められるシーン、確かに読んでいて気持ちの良いものではありませんでした。でも物語の展開上どうしても必要な場面ですよね。
『いじめていた人達は退学になり』という形で、罰を受けるべき人間が罰を受けているのですから、読者の心情は悪くないはず。『僕だけが罰を受けていない』と書かれていますが、客観的な読者目線では、主人公は、それほど罰を受けるべき人間ではないでしょうし。
その二話が丸々回想の形になっていて、現在の話としては一話から三話に繋がるのも、面白い構造だと感じました(これは初読時よりも、今回再読して、特に強く感じました)。
主人公を救ったことで、命を落とした友人。それを引きずって来た主人公が、今度は弱い立場のものを救う側に回る(過去とオーバーラップしただけだったとしても、また力は足りないとしても、少なくともその方向性の行動をとる)。
素敵な話ですよね。感動系は苦手な(あまり面白いとは思えない)はずの私でも「この作品は面白い」と感じた作品です。おそらく作者の方が思っておられる以上に「WEB小説としても面白い作品」なのではないでしょうか。
作者からの返信
お礼が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございました。
エンターテイメント性が低いというところもありますが、まずWEB小説といえば特殊な世界観、キャラクターが活躍するファンタジーのイメージなので、この作品は現代ドラマであるという点と、本来WEBでは軽い感じで楽しく読めるものが好まれるのではないかと個人的に思っているところがありまして、「いじめと命」というテーマが重いのではないかと思っていました。
なので、魅力的な設定もなくリアルを描いたこの話は手軽に物語を楽しむWEB読者さんに向かないものなのかなと思っていました。第二話なんてほとんど地の文で文字を詰め込みすぎていて、軽く読めない感じがあったのも理由の一つです。
けれど、お言葉をいただいてWEB小説でも少しは通用するのだと自信が持てました。面白いと言っていただけて嬉しかったです。重ねてありがとうございます。
企画「【短編限定】より良い作品を書くための意見交流会3」に参加させていただきました。
重いテーマの物語ですが、主人公や周りの人たちの淡々とした様子のお陰で重くなりすぎずに読むことができました。
劇的ではないけれど救いのある物語で読んでいてじーんときました。
気になった点なのですが、キャッチコピーが助けられなかったあの日から、なのに、仲良くなったきっかけもカレーだったり、過去のエピソードが12月20日で、今回が12月22日だったので、日にちに何か意味があるのかと思ったのですが、特に触れられている様子がなかった点など、本筋とは関係ないかもしれないところで、あれ?と感じてしまって物語に集中しきれなかったところがちょっと残念かもと思いました。
素敵な作品、そして企画に参加させていただいてありがとうございました。
作者からの返信
読んでいただきありがとうございます。キャッチコピーにまで目を向けてくださって、作品を注意深く読んでくださっていたことがわかり、たいへん嬉しいです。
指摘してくださった点を少し解説させていただくと、
キャッチコピーは、「カレーを食べ続けている」というのは、「カレーを連日食べるようになった」の意で使っていたつもりです。
日にちについては、富田の死因が怪我をしたまま、寒い中に放置された結果亡くなったとしたかったので、時期を明確にしたくて日にちを設定しました。現在の日にちをちょっとズラしたのは、主人公の体感的には同じだけど、少しだけ違っている、進んでいるという小さなメッセージを込めかったのですが、よくよく考えてみればこの日付、冬休み入るくらいでしたね。高校時代からだいぶ経っているので忘れてました(笑)また考えて直しておきますね。
貴重なご意見をありがとうございました。