ep.1-3 作戦会議
「では、今回の策を伝達する」
あれから一日を経たずして『今回の反乱分子+その他ワルいヤツら
扉近くに背を
自分はあまり聡い方ではない。それでも為政を司る
――やな感じ。
ソカロは滅多に崩れない笑顔を
ブレイは優秀だ。それは一番近くでブレイを見ているソカロには十分すぎるほど分かってるつもりだが、
「……ということを踏まえ、今回は少数で敵に当たり、早急にその場を
ブレイの策を聞きながら隣の高官となにやらひそひそと会話を交わしていた
「お言葉ですが、ブレイトリア様。仮にも我らがフィッテッツオ帝国を落しめんとする
嘲るような間を持たせてケインリヒは続ける。
「我等の力を示す為にもここは特軍団を
いやなヤツだ。
言葉の
「それも一理あるだろうが――、反乱分子とはいえ自国の民だということを
「話は終わりだ」と結んだブレイの冷ややかな反論に、ケインリヒは言葉を詰まらせ「そのようなことを申し上げるつもりではなく」と顔を真っ赤にさせながらおずおずと席に着き直した。
ケインリヒの周りを取り囲む重臣たちも一様に居心地が悪そうで、ソカロは
そっとブレイを盗み見てみると「どうだ」と、してやったりな態度がちらりと見え、それが面白くてソカロは堪えきれずに笑ってしまう。
「ソカロ殿」と、戦闘に従事する軍幹部の者に小さく嗜められるも、彼もきっと同じ気持ちなのだとソカロは思う。口元に添えられた手元の奥はきっと緩んでいるはずだ。
ブレイはこの
それはブレイの父である帝国側の人間たちであるからだ。
ブレイは父を
おまけに、年端の割に能力こそ高いが、ツンとして可愛げがなく
自分たちが何年もの時間と労力、財力を掛けて手に入れた地位を軽々と越えていく
そんな相手に仕えるという事実に
だから
しかし反対に、
ブレイは血筋を重視しない。無慈悲な行いは行わず、
初見ではブレイは冷たく、
「ソカロ、会議中に百面相するな。真面目に聞け。今回は特軍の援助はないんだからな。お前がしっかりしてくれなければ……困るだろう」
はあ、と一息ついてブレイは作戦書を整え直すとソカロに資料を渡す。荷物持ちだ。
「うん、分かってる。俺、がんばるからさ!」
からからと笑って
「……まあいいか。あと先ほど伝えたとおりだが、今回、僕は後方にて
「オッケ!大丈夫だよ! 俺らの部隊はよく育ってて強いし。羽毛のシューとかなんかには負けないよ!」
自信満々な笑顔のソカロにブレイは頭を抱える。
「この馬鹿……それを言うなら
ブレイの胸に不安が上乗せされたことは言うまでもない。
作戦決行日は明日正午。時は
◇
作戦決行の朝、ブレイはいつもの赤と黒の官服に白い細身のズボンを身に
いつもと変わらない寝起き具合に、相変わらずの快晴。今日の戦いもつつがなく終わってくれるような気を感じさせてくれる。
ブレイは最後にもう一度今日の全体の動きや策を確認して、部屋を後にした。
ブレイのいなくなった部屋は
風は書類を巻き上げ、机の上にひっそりと置かれた小さな
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