エピローグ

 妖精界との戦争が終結してから半年。

 有紀乃先輩は多治見堂デパートで僕と一緒に働いていた。

 なぜか、妖精王の泉の精である誠子さんと、ドワーフの隊長も一緒に。


 誠子さんは以前よりもすっきりして若返っていた。本当は有紀乃先輩よりも若いらしい。泉の水を汲み上げられると痩せてしまうのかと思っていたら、ストレスで太ってしまうタイプだったそうだ。


「それに、人間界って美味しいものが多いじゃない。ついつい食べ過ぎちゃって」


 とのこと。

 ドワーフの隊長は、七十年は石になったまま目覚めないという話だったけれど、妖精王の泉が復活したおかげで、妖精の力も回復したらしい。


 なんにせよ良かった。


 僕はというと、有紀乃先輩たちと共に多治見堂デパートのパン屋さんに配属されていた。


 デパ地下の食料品店の食品廃棄を減らすため、数量限定品を増やしたおかげでメディアに取り上げられ、多治見堂デパートは活気づいてきた。まだまだ知らないことが多いから、勉強勉強の日々だ。


 妖精王の泉の水なんかなくたって、御伽屋デパートの女王さまは手強い。


 僕の戦いはまだまだ続くだろう。

 だけど負けてなんかいられない。

 だって、僕には戦いの女神がついているんだから。


 その後、月に一度だけスーパー多治見堂で売られる数量限定のパンが美味しいと人気になるのは、また別のお話。

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デパ地下の白雪姫 Mikey @m_i

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