第3話 設立までの振り返り 3

次のお題


相手は


「でも学校に行かないと社会に出てから苦労する」と言う。


利道はこれについての反論もしやすかった。 体験談を見たり聞いたりしていると強い


「そうとも限らない。 何かにすごく精通していればそれが仕事になることがある。例えば電車についての知識を良く知っている子は大学検定を取って電車の運転手になった」と実例を伝える。



講義の最後の時間になってしまったので教員が最後をまとめる。


「利道君は良くいろんな知識を持っているんだね、どんな勉強にしろ多数の答え(価値観)を持っている人は強い」と告げて最後を締めた。



 ・利道は卒業論文は『ADHDやアスベルガー障害と不登校』についての論文を書いて、不登校を前面に押し出して随所にこの障害を持っているとうんぬんかんぬんと書いたものが受諾された。



平成××年?


 フリーターとして肉体労働などの仕事をしたりしている空き時間、『フリースクールのボランティア』を初めて経験することに(というか、やってみたかったから自分で電話連絡してみた)


フリースクールの代表者に「もう少し話して自分の意見を言えるようにしよう。緊張するのはわかるけどね」と諭される。


 次のボラの日もなかなか子どもに話しかけるタイミングがつかめない。代表さんに「話してくれないと、子どもに不信感を与えることがあるよ」と注意された。 利道にとっては考える良い機会になった。


 3度目のボラの日、子ども達と運動する時間に付き合う利道。 多分近所の人に「こんな時間に何でいるんだ??」と言われてフリースクールを利用する子が黙っていた。 ちなみに利道はその声自体は聞こえたが、お手洗いに行っていたので説明とか出来ない状態だったり。


 それで、その子(大樹君)が利道に質問してくる。


「やっぱり僕みたいな子が今みたいな時間にいるのはおかしいって思っているよね?利道さんは。一応学校全部卒業したんでしょ!?」と問われたので利道なりの意見を伝えた。


「いや?僕は自分で考えて不登校を選択した君をすごいと思っているよ。 自由な面もあるかもしれないけど、最後にやりたいことを決めるのは君(名前)でしょ?」


その子は驚いた表情になっていた。


「そう考えてくれてるの!? 大人の人は、「でも学校がどう」とか言ってくるから、利道さんもそうだと思ってた」


「僕も今の学校制度に問題あると思っていたし。たまたまフリースクールに行くことがなかった、ひきこもらなかったというだけ。 フリースクールが社会にもっと認知されないかって考えを持っているから」


その考えで利道はその子の影響もあってかフリースクールのボラさんとして数年間貴重な体験をさせてもらうことが出来た。



平成××年?


 自分で設立することにしたフリースクール。 「大都市のある程度大きな私鉄なのにその真ん中あたりにこういう場所がなかったから助かった」という不登校の子を持つ親に感謝されたりしていた。


十一歳の大樹君の「運動バカ」と担任に言われたという話を受けて、利道はまずは受容(理解)・そして共感、最後にこれからしたいことを話す。


そう、今は親の会で大樹君が自分の意見を伝えているところである。 親の相手は副代表さんに一時的にお願いして利道は、子ども達の中で話したいことがある人は別部屋で話そうと伝えていたのでその話し合いをしていたところだったのだ(ちなみにこの日は子どもが休む休まないは自由)


というか、休む休まないはフリースクールに来る子どもが決めること。 電話をしてきて「来れなくて残念」という子もいれば、二?三日休んでひょっこり顔を出す子もいたりと個性豊かで大変ながら、やりがいのある場所といえる。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの作品の過去録 ニューナイト @yashin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ