エピローグー出発ー

「すまぬ、待たせてしまったかの」

「おう!…?」

 出発の朝。

 うしろから聞こえた茜の声に、タオが振り返る。

 そこには、真っ赤なローブを身につけた茜がいた。

「あら、どうしたの?その格好……」

 レイナの疑問はもっともだった。

 茜がまとっていたローブやずきんは、カオステラーとの戦いの時、どこかへいってしまっていた。

「なぁに、簡単なことじゃ。赤ずきんの家から予備をとってきた」

「え?」

 茜の言葉に、エクスが驚きの表情を浮かべた。

「騒ぎにならぬよう、慎重にやって来た。問題はないはずじゃ」

 エクスの表情は驚きから困惑へ変わる。

「狐さんナイスです。やりますね」

 シェインは称賛の言葉を送っていた。

「……まぁ、いいんじゃないかしら」

 レイナが言った。

 それは、「もう、どうしようもないでしょう?」と言外にいっているようだった。

「やはりこれが一番落ち着く。妾は赤ずきんとであってからずっとこれを身に付けてきたからの」

 茜は四人の前へ出て振り返り笑顔で言った。

「さぁ、行こうではないか!」




 こうして、茜を加えた調律の巫女御一行は、新たな想区へと旅立つのだった―――

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赤ずきんのトモダチ 如月李緒 @empty_moon556

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