第3話 愛しきシチリアーノ Oboe Concerto F-major, BWV1053R 2: Siciliano
ときを手繰る指先
その胸 いだかれたなら
夢も現もない
ただ貴方がいて
やさしい笑みがあれば
ここに留まれるだろう
ときを手繰る指先
その胸 いだかれたなら
過去も未来もない
ただ貴方がいてくれれば
やさしい言葉を聞けば
この日が あの日に繋がる
さあ、告げて
その想い
秘めてきただけ
溢れんばかりの愛慕の言葉を
ときを手繰る指先
その胸 抱かれたなら
夢も現もない
ただ貴方がいて
やさしい笑みがあれば
ここに留まれるのだろう
ときを手繰る指先
この胸 いだいて
遠い日を求めては
帰らぬ日々を懐かしむように
目を伏せ
貴方なしの弱さを隠して
遠ざかる影を見つめながらも見送る
それだけしかできない私を赦して
ときを手繰る指先
あの日を いだいて
目を閉じる
帰らぬ日々の向こう
あなたの笑顔がある
そこへ行きつけるまで諦めはしない
そうして
来る日
冬の
終わり
風が吹く
貴方のもとへ
高らかに
風にのって
貴方の腕の中へと
夢よりも現よりも遥かに
魅惑的な幻想
だけどそれだけが
真実でありますようにと願う
ときを手繰る指先
その胸 いだかれたなら
過去も未来もない
ただ貴方がいて
心からの抱擁があれば
それだけで幸せ
ヨハン・ゼバスティアン・バッハのオーボエ協奏曲ヘ長調復元版BWV1053R 2:Sicilianoに乗せて。
クラシックの曲には、歌いたい曲が沢山あります。
楽器をやめていなければ、たぶん、それで歌っていたでしょう。でも、ヴォカリーズで歌いまくっている今も楽しいです。
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