第2話 ふたりの音楽家のための協奏曲(Bach:Concerto for 2 violins in D minor)

その瞳に映る 私を消さないで

たとえ この身が滅びたときでも

あなたが私を思いだせるように


いつか訪れる 私と あなたの別離わかれ

止まらない涙も必ず渇く

眩惑ゆめから醒めたときには


苦しまなくていいの ずっと

そばにいれば慰めになる

宿命に生きて

宿命に死んで

辿りつけないと知りながら

それでも ただ進んでいくの

過ぎた安らぎ

来ない未来


この瞳に映る あなたを消さない

たとえ その身が滅びた後にも

私が あなたを憶えていられるように

いつか訪れる 私とあなたの終末おわり

止まらない涙が渇いたときに

見えるのは虹? それとも星の雨

つかの間の愛に溺れて忘れ去った

この世に生きる使命もくてき


時には眠る時間さえ惜しくて

夢より求めた現実

鮮やかすぎる幻想ゆめに誘われて

縛りつづけた報いならば

わずかな真実すら もう戻らない

愛されることを知った後には

まだ見つからないの?


あのままここに留まっていたなら

信じていられた永遠

望んだままに虐げたものには

無限の闇が残るだけで

諦められない あなたがいるかぎり

奪われたものが どこへ行くのか

解らないけれど判らなくていい

それで総て終わる


静かに時を刻み 落ちていく砂のように

途切れることなく なくなりもせずに

閉ざされたガラスの世界で

願ったのは孤独な心

愛は白い闇 目を眩ませてしまう


私を抱くあなたの 腕の儚さに

絶望が押しよせて 心が叫ぶ

お願い その熱を失くさずにいて


あなたを抱く私の 愛欲の深さに

切望が押しよせて 心が嘆く

お願い 私を求めて


籠城ゆめの終わり

それが来ないことを祈る

叶わない願いと知りながら



Johann Sebastian Bach: Concerto for two violins in D minor, BWV1043-Vivace

per 『La Catena d'innamorarsi』 Akiko's opera


ヨハン・ゼバスティアン・バッハの傑作、2つのヴァイオリンのための協奏曲、第1楽章にあてた日本語歌詞です。


自作の小説でのイメージソングとして、中学生のころに勝手に作詞しました。


この曲の主題は悲劇的なほど美しく、歌うには恐ろしく難しいながら最高に気持ちの良い旋律です。フーガ的に歌う第2楽章へ響かせていく手腕は、さすがバッハとしか言えません。


映画『music of the heart』のクライマックスで、アイザック・スターン氏とイツァーク・パールマン氏が、、子どもたちとカーネギーホールをうたわせた、素晴らしい名曲。ご存知の方も、多いかと思います。


はい。

好きすぎて、歌いたくて、歌詞をつけてしまいました。

音域が広すぎるので、自在には歌えませんが。

だめじゃん。

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