Space-time universe マハー・ヴァイローチャナ
う~ん……。やっぱりどう考えても変!
両親が消えて存在しない?
冗談じゃないし~。
”消える?”
あの不思議な少女の姿は四六時中あたしの脳裏から離れてくれない。
『信じて! 君が消えちゃうその前に…』
「そう、 確か少女からもらった名刺!
確か名刺の裏に場所と時間が書かれてたんだっけ」
宇宙の真理を探す会
次回日程 4月24日(日) 16時より
「これって今日じゃない。 しかも後1時間も無いし。
場所は近くの空き家ね。 よし、行ってみよう!」
あたしはさっそく空き家へと向かった。
「ここの空き家かぁ。さてと、入口は開いてるのかな?」
戸に鍵はかかってなかったので、あたしはすんなり中に入ることができた。
しかし、空き家の中にあったのは農具ばかりで、
骨組みの木材はぼろぼろに老朽化して悲惨なことになっていた。
そうやってあたしは空き家の中を戸口の外側から一通り見渡した後、もう一度この空き家に対して正面に向き直った。
「へ?••••••、
え、えー!?
ねえちょっとあんた、
いつからそこに居た?
さっき見たときはゼッタイあんた居なかったよね!?」
あたしは自分の目を疑うような突然の出来事に
驚いた。
そう、名刺をくれた例の不思議な女の子が一人ぽつんと立っていたのだから。
「キミには特別な力があるから呼んだんだよ」
「特別な力ってなに?」
「最近日常生活で違和感を感じる事は無い?」
もしかして、今あたしの心覗かれたっ!?
それはあたしにとって図星な質問。
「わかるの? 0点の答案が消えたの!!」
「それで、そんな事が起こる原因はわかる?」
「あたしに聞かれても……、
あっ!や……」
「質問の仕方変えるね。 こんなことが出来る人物を
キミは誰だと思う?」
「誰って、 普通はそんなのありえないよね……」
「じゃあ誰?」
「解答ルパン……とか?」
あたしは半信半疑で適当に浮かんだ言葉を言ったつもりだった。だけど……。
「惜しい、 というか特別に正解だよ♪
って、違ァァァ~う!!」
「冗談はさて置き、
実はあたしの両親が消えちゃったの!!」
「その犯人、『か・み・さ・ま』みたいな存在なんだよ」
「はい? 今なんて」
「だから神様」
「……、ナンデストー!」
「私は神様じゃないんだどね。
別の宇宙から来た高次元の存在なの。
この宇宙には、私と同じような高次元の存在が何人かいて、
中にはこの宇宙を破壊しようとする人もいるの。
私の目的は、君たちの宇宙を守ること。
だけど問題があるよ。
敵の高次元の存在は、キミたちの科学ではまだ解明できていない暗黒物質や暗黒エネルギーといった この宇宙の隠された部分に潜んでいるの。
この状態では、私にも彼らに対抗することができない。
だから、キミを含めて高次元を理解できる能力を持った仲間が必要なのよ。
高次元宇宙の見えない真理を理論と計算と観測から解き明かすことで、
敵の高次元の存在を見つけ出して排除することができるはずだから。
今の説明、わかった?」
「え~と、あんたが高次元の存在なら、
あなただけでやればいいんじゃない?」
「そういうわけにはいかないよ。
例えば、キミは鏡や道具を使わずに自分の背中に隠れた蝶々を見ることができる?
それと同じように、私自身は自分の高次元性を直接観測することができないの。
それに、敵の高次元存在も私の存在に気づいているかもしれないし。
彼らは私を攻撃する前に、この宇宙の低次元部分に隠れているから。
私は彼らを見つけるために、この宇宙の法則や構造を知る必要があるの。
それには、キミたちのような低次元の存在の協力が不可欠なわけなの」
あたしはこの時、低次元の存在呼ばわりがムカついたということと、高次元を理解できる能力って何?ということの二つの疑問を愛理栖にぶつけようか迷ったけど、
話の内容全てが信じられないほど奇妙だったので、結局言えずじまいだった。
彼女の話の内容は全てが支離滅裂過ぎて、
あたしはただただ驚く以外……無かった。——————————————————————
↑【登場人物】
•
•
※主要登場人物について詳しく知りたいかたは
第2章エピローグ後
『第2章 主な登場人物 &ここまでのあらすじ』
をお読みください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます