愛のかたち
ケルシーは全てを吐き出してから、少しずつ精神的にも落ち着いたようだった。
食欲も戻り、ほぼいつものケルシーになっていた。
「…ジェイソン、ありがとう」
不意に紡がれた言葉に、僕は驚いて。
「…どういたしまして」
そう答えるのが、精一杯で。
「…私ね、ジェイソンのこと…好きよ」
突然の告白に、僕は完全に動揺した。
「…でも、ジェイソンは…嫌いだよね、私のこと」
ケルシーはそう言って、座ったままに布団を被った。
「…どうして、そう思うんだ?」
僕がそう尋ねれば、ケルシーは悲しげな顔をした。
「…子供、産めない、から…」
「結婚しても、子供産めない女なんて…男は嫌いでしょ?」
ケルシーは一筋、涙を零した。
「…嫌いじゃないよ、少なくとも…僕は、だけど」
ケルシーはびっくりして目を見開いた。
「…例え子供が産めなくたって、愛のかたちは沢山あるんだし…それは気にすることじゃないからね」
「それに、僕はケルシーが生きて、此処に居てくれる…それだけで凄く嬉しいんだ」
僕が笑えば、ケルシーは泣き出して。
「…ねえ、ジェイソン」
「…ずっと、ずーっと…私の側に居てくれる?」
涙を拭いながら、僕を見つめた。
「もちろん、君がそれを望んでくれるなら」
「もちろん、望んでいるわ」
僕はケルシーを布団ごと抱き締めた。
笑うケルシーをぎゅっと抱き締め、額にキスをした。
ケルシーも負けじと、頬にキスをしてくれた。
これからもずっと、君を愛し続けるよ。
どんな君でも こびと @hsmlove
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