まひるside
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編集部の方々とみやこの尽力により、先生の小説がセシリア社より来年一月に発刊されることとなった。
発刊に向け、みやこと何度も打ち合わせ改稿を重ね、カバーや帯のデザインも決まり、先生の小説が少しずつ単行本の形となっていく。
『愛炎〜美しき蝶の舞』小説のタイトルは編集部と先生が相談し、双方が納得いくものに決まった。
ストーリーは書き下ろし原稿の一部を変更し、織田信長の視点だけではなく、織田信長の生きざまを支えた正室や側室の視点を加え、信長と共に戦国時代を生きる女たちの愛憎も赤裸々に描いた。
特に信長と側室の夜の営みは妖艶で美しく、思わず息をのむほどにリアル。
信長が次第に狂気に満ちていく姿は圧巻で、ラストシーンは本能寺にて、明智光秀の謀反により炎に包まれ舞う姿を、寵愛した女達の美しい舞い姿と重ね合わせ壮大に描いている。紅き炎に包まれ燃え尽きる信長の儚い最期に思わず涙した。
「どうだ?」
「正室や側室との愛憎がとても印象に残りました。戦国の世に生きた女性の生きざまは壮絶ですね。私……戦国時代に生まれなくて良かった」
先生は口元を緩ませた。
「お前に戦国の世は生き抜けないよ。年が明けたら広島に行こう。改めて君のご両親にご挨拶に伺う」
「はい」
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