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「そうならないように、企画会議頑張ります。じゃあね、まひる。お邪魔しました。ごゆっくり」


 担当はニヤリと笑うと慌ただしく縁側から下り、Vサインをして屋敷をあとにする。


「先生、おめでとうございます」


「まだわからないよ。あの担当は当てにはならないからな。新作のタイムスリップだが、交通事故に遭うとか、何か衝撃を受けることによってタイムスリップすることにしよう」


「そうですね。キスをするたびにタイムスリップでは、コメディになってしまいますね」


 彼女はにっこり微笑む。愛らしい笑顔。この笑顔を落胆させてはいけない。

 男として、今こそ踏ん張り時だ。これを逃すと、二度とチャンスは訪れないかもしれない。


 決意を固めるために、思わず彼女を抱き締めた。


「セシリア社にリベンジだ。今度こそ負けない」


「先生……」


「ちくわを指輪にされては、かなわないからな」


「はい。楽しみにしています」


 どちらからともなく重ねた唇。そのままずるずると畳の上に体が沈む。

 座敷で指を絡め、彼女の唇を奪う。


 彼女の甘い吐息を聞きながら、俺達は深い愛に溺れた。



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