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 初めて男性を受け入れた。

 体に走る痛みとひとつになれた悦びが、寄せては返すさざ波のように交互に押し寄せる。


 先生は女性に興味はない。だから女性のことは何もわかっていないと思っていた。


 はっきり言えば……

 先生が女性を抱く姿は、平生のイメージとは結びつかない。


 でも……私を抱いている先生は、いつもの先生とは違う。

 ぶっきらぼうで無骨な先生が、こんなにも女性に優しく女性の体を知り尽くしているとは……。


 淫らな自分が、小説のヒロイン琴子になったような錯覚にすら陥る。


 琴子は吉岡と……

 こんな魅惑的な夜を過ごしたのだろうか。


 一度体験すると、もう二度と離れることは出来ない。


 甘い蜜の中に堕ちた……

 蜜蜂のように……


 きっと……

 もう他の蜜では、心も体も満たされることはないだろう。



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