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「私のために……?」
「俺はろくな恋愛はしていない。過去の経験がトラウマとなり、今まで恋愛小説など書けなかった。でも君のお陰で、俺にも恋愛小説が書けるとわかった」
「先生……」
「出来ることなら……だが」
「はい」
「これから先も俺の傍にいてくれないか」
「はい、家政婦として一生懸命働かせていただきます」
「そうではない、俺と……刺激的なプロローグを始めないか」
「刺激的な……プロローグ?小説のことですか?はい。何でもご協力します」
「そうではない、君は本当に鈍い女だな」
先生に腕を掴まれて私の体が大きく揺らぐ。ドスンと落ちた場所は、先生の胡座の上。
「……っ、先生!?新作のシチュエーションですか!?ストーリーを教えて下さらないと、心の準備が……」
「新作?どう捉えるかは君の自由だ」
先生は私の眼鏡をゆっくり外した。
「……っ、先生。いきなりどうされたんですか」
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