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メールでは埒があかず、個室を出てトイレでみやこに電話する。
「みやこ、別件って何?」
『やだ、また余計なこと言っちゃった』
「ちゃんと説明してよ。気になって眠れないでしょう」
『これは私のカンだけど。ベストセラー作家の桂木由佳子先生と、あの只野先生が昔付き合ってたみたいよ』
「嘘?」
あの女性は……
ベストセラー作家の桂木由佳子先生!?
先生の元カノが有名な作家さん?
『pamyuの連載は元々只野先生に決まっていたって編集長が話したら、桂木先生が急に慌てちゃって。それでピンときたの。只野先生がぎっくり腰だと告げたら、血相変えてセシリア社を飛び出したから、もしかしてご両親やまひると鉢合わせしたかもって気になったの。でも、あの美人で有名作家の桂木先生が、只野先生のお屋敷に行くはずないよね。心配して損しちゃった』
ていうか、手料理を振る舞ってたし……。
「それは、わざわざどうも」
両親と鉢合わせしていたら、二人のことだ『二股、浮気、結婚詐欺師』とか、騒ぎ兼ねない。
取り敢えず……
そこは、セーフ。
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