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「まひる、どうしたん?冴えん顔して。それより事件のことはもう大丈夫なん?東京は怖いところじゃけぇ、人を簡単に信用したらいけんよ。命まで奪われたらどうするんね」


「わかっとるよ。先生が助けてくれなければ、私は今も籠の鳥だったかも……」


「先生が?あの先生がまひるを助けてくれたんね?」


「うん。先生は私の命の恩人なんよ」


「まぁ……そんな大事なことは、はよ言いんさいや。先生に御礼言わんといけんかったのに、失礼なことを言うてしもうたじゃないね」


「いいよ。先生はそんなこと気にする人じゃないし」


「まひる、本気で先生と付きおうとるん?ああいう職業は収入も安定しとらんし、見る限り豊かな暮らしには見えんかったけど」


「お金があるだけが、豊かとは限らないよ。先生の作品、私は好きだから」


「まひる、父さんも母さんも元気なうちにまひるの花嫁姿が見たいだけなんよ」


「わかっとるよ。でもそればかりは約束出来ん。ごめんなさい」


 両親は顔を見合わせ溜め息をつく。


 ……心配かけて本当にごめんね。


 スカイツリーで景色を楽しみ、浅草のホテルに宿泊したものの、私は先生の様子が気になりそわそわと落ち着かない。



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