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◇
コンコン……コンコン……
窓を叩く音がした。
木の葉から雨粒がポトッポトッと落ちている。
コンコン……コンコン……
心地いい音……、雀も鳴いている。
重い瞼を開け、音のする方に視線を向けた。
「うわ、みやこ!?」
「まひる、編集長の車を取りに来たの。やだ、敷地内でマニアックなことがしたくて、わざわざ車借りたの?まひるも随分大胆になったんだね。それとも只野先生の性癖?」
「誰の性癖だ。失敬な」
ガバッと起き上がろうとして、先生は苦痛に顔を歪め再び私の上に落ちた。
「痛たた……。腰を痛めたんだ。元担当ボヤッとしてないで助けろ」
「腰を痛めるほどしたんですか?こんな狭いとこでするからですよ」
「バカ者!何もしていない。勘違いも甚だしい。彼女は家政婦兼アシスタントだ。断じて男女の関係ではない」
「嘘、三ヶ月も同棲していて何もないなんて。もしかして、只野先生……出来ないの?だから色々なシチュエーションで試してるとか?素直にアダルトビデオを借りて観られたら如何ですか?」
「バカ者、バカ者!俺達は同居であって、同棲ではない」
「本当に面倒臭い男ね。まひる、こんな男と付き合ってると正常な精神壊しちゃうよ」
みやこは先生に言いたい放題だ。
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