184
濁りのない澄んだ白目は白真珠のように、大きな黒目は黒真珠のように、キラキラと美しい輝きを放っていた。冴えない女だと思っていたが、冴えなかったのは彼女のセンスと着飾らない容姿だった。
よく見ると、目鼻立ちは担当に負けないくらい整っているし、肌はきめ細かくゆで卵のようにつるつるしている。
こんなに美しいのに、何故地味な印象に映るのかと思い見ると、彼女がノーメイクで黒縁眼鏡を着用し、ブラックやグレーの暗い色調の洋服ばかり着ていることに今さらながら気付く。
「只野先生、あらすじよりも断然面白いです。この同僚、もっとグイグイ攻めては如何でしょう」
グイグイ攻めろと?
俺は今まで女をグイグイ攻めたことはない。
女とは不可解で自分本位な生き物。それでいて雲のように掴めず、もし掴めたとしても、途端に雲行きは怪しくなり突如雷を落とす。
落雷はまっぴらだ。
だから女には近付かない。
なのにグイグイ攻めろと?
女心はやはりわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます