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鼓動がトクトクと大きな音を鳴らす。
「ここが給湯室ならば、女性はどんな感情を抱く?」
「急に抱き締められた驚きと、誰かに見られるのではないかという緊張感から……気が気ではありません」
「なるほど。やめて欲しいと思うか?」
「……同僚に突然抱きすくめられたなら、戸惑いますね。でも嫌いな人でなければ、これをきっかけに異性として意識します。もしも関係のあった上司なら、とても焦りますね。誰かに見られたら関係性を否定出来ない分、冷静でなんていられない。かといって嫌なわけでもない」
「なるほど、同僚は異性として意識し、関係のあった上司ならば焦るが嫌ではないか。ありがとう参考になった」
只野さんは抱き締めていた手をアッサリほどく。一人でぶつぶつ言いながら、机に座り執筆を始めた。
もう自分の世界に入っている。
私のことは完全に忘れてる。
でも……
なんか嬉しい。
私、只野さんの役に立ててるのかな。
私、只野さんが執筆している姿、好きだよ。
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