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「みやこと編集長さん仲直りしていました。編集長さんと奥様の離婚が成立し、みやこと結婚を前提に同棲するみたいです」


「一樹と担当が結婚前提で同棲?愛人が妻の座を奪ったのか」


「不倫はモラルに反しますよね。でも……男と女はモラルだけでは裁けない気がします」


「なるほど……。実は第二章のあらすじを書いたんだ。読んでみてくれないか?」


「はい。喜んで拝読させていただきます。私は只野先生のアシスタントですから」


「好きにしろ」


 只野さんは私に背を向け、階段を下りる。


 その背中を見つめながら、ちょっと嬉しかった。


 只野さんの背中を追うように、階段を降りる。


 只野さんの背中、お父さんみたいだな。


 台所でお茶を入れ只野さんに差し出す。只野さんは神妙な顔で原稿を差し出した。


 行き場のない原稿だ。

 雑誌の連載も、出版も決まっていない。


 まるで……

 私みたい。



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