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 脱衣所のドアが開き、男性が姿を現す。


「まひる、私ね、彼が落ち着いたら暫くここで一緒に暮らすことにしたの。彼、奥さんと離婚が成立し、マンションを出ることになったから」


 男性が私に視線を向けた。


「きちんとご挨拶していなかったね。俺はセシリア社編集部編集長、一樹二太郎です。いずれはみやこと結婚したいと思っている。君を追い出すみたいで、申し訳ない」


「いえ、私から出て行くんです。みやこには沢山迷惑を掛けましたから。みやこのこと宜しくお願いします。みやこは口では強いことを言うけど、本当は寂しがりやなんですよ。誰かと一緒にいないとダメなんです」


「みやこの性格は十分わかっている。ずっと傍にいるつもりだ。君も今回の事件は大変だったね。そうだ、今回のことを本にしてみないか?今後このような事件が二度と起きないように、女性への警告にもなると思うんだ。それにベストセラー間違いなし」


 私が……出版?

 監禁されたことを本に?


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