直人side
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「おはようございます」
「おはよう。随分早いな」
「はい、これは仕事ですから。朝食は七時、昼食は十二時、夕食は十九時にご用意させていただきます」
「タイムカードを押すみたいに事務的なんだな。一秒の狂いもないのか」
「……多少の誤差はありますけど。その時間を目安に食事のご用意をするということです。アルバイトが見つかるまで、午前中は家事に集中し、午後からはアシスタントとして頑張ります」
やけに張り切っているな。
俺みたいな売れない作家に、アシスタントは不要だとあれほど言ったのに、まだ理解出来ないのか。
「アドバイスは欲しいが、アシスタントは必要ない」
「只野先生が話される文章を、私がパソコンに入力します」
「俺の言葉をパソコン入力すると?俺はアナログ人間だ、電子機器は信用しない主義だ。原稿用紙と万年筆があれば十分」
着座し、彼女が用意してくれた味噌汁を一口飲み、思わず唸る。
「うまい。お袋の味に似ている。胸に沁みる」
「お母さんのお味に?」
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