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 苦いはずのキスが、とろけるほど甘く感じ体の中心が疼き全身が火照る……。


『狡いよ……。離婚協議なんて嘘でしょう。この間、奥さんの誕生日だって……』


『あれは……本当は弁護士を交えた離婚交渉のために帰宅したんだ』


『……嘘』


『離婚が成立するまで君には黙っているつもりだった。それなのに、君はこれみよがしに他の男と浮気を……』


『……っ』


 唇を塞がれ、編集長の逞しい手がスカートの中に入る。


『……今朝、離婚が成立したんだ。二度と浮気出来ないように、この体に教え込んでやる』


 私の背を壁に押し付けたまま、編集長は私を抱いた。

 唇の触れ合う甘い水音が鼓膜に響き、体に刻まれていく激しい動きに、意識が遠退きながらも体が崩れ落ちないように、編集長の背中にしがみつく。


『……狡いよ』


 編集長が私の体をさらに熱くする。


 別れると決めたはずなのに……

 私の体は抑制がきかないくらい彼を欲している。


 本能のまま互いを求め合い……

 愛の波に何度も溺れ……同時に崩れ落ちた。



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