刺激的な同居

みやこside

166

「あぁ……」


 昇り詰める瞬間……

 瞳に映ったのは、編集長の顔だった。


 ◇


 昨夜、横暴な編集長に嫌気がさし、私達はマンションのエントランスで口論した。

 マンションの住人が、私達を冷ややかな眼差しで見つめる。


『人の目もある。取り敢えず部屋で話し合わないか』


『部屋で?いいわ。部屋にはあなたの私物も残っています。全部持って帰って下さい』


 私達はエレベーターに乗り込み、部屋に向かう。


 編集長とは今夜限り。

 仕事の縁は切れないが、男女の縁は切る。


 ――そう思っていたのに……。


 編集長は部屋に入るなり、私の手を掴むと、壁に背中を押し付け強引に唇を奪った。


『……っ、いや』


 抵抗するが、編集長の唇は私の唇を捉えて離さない。熱い舌は口内も心も激しく掻き乱す。


 渇いていた口内と寂しい心に……

 キスの味が広がる。



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