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店長や隣室の男性。盗撮サイトで働いていた女性達は未だ事情聴取を受けている。私は店長を告訴するつもりで、警察の事情聴取に応じた。
過去に同じ目に遭った被害者のためにも、私は絶対に泣き寝入りはしないと決意を固めた。
三人でみやこのマンションに戻ると、マンションの前にスーツ姿の男性が立っていた。それはみやこの不倫相手だった。
男性とみやこは立ち止まり見つめ合っている。
「……編集長」
「みやこ」
「……すみません。編集長。今夜は取り込んでいるので、お引き取り下さい」
「事件のニュースを見たんだ。みやこがテレビカメラに映っていたから……」
「……私のことを心配して来てくれたの?」
「当たり前だろ。だが、只野先生がいるとは思わなかった。俺は必要なかったみたいだな」
男性はみやこに背を向けた。みやこは悲しい眼差しで唇を噛み締めている。
不倫相手がセシリア社の編集長だったなんて……、その事実に私も言葉が出ない。
「一樹、待てよ」
只野さんが男性に声を掛け引き留めた。
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