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危機一髪のところで、再び店長の携帯電話が鳴り、足が止まる。店長はおもむろに携帯電話を取り出した。
「もしもし、君か。どうした?」
『店長、ヨーグルトの発注ミスです。業者が返品を拒否しトラブルになっています。至急店に来ていただけませんか?』
「発注ミス?誰が発注したんだ」
『新しい派遣社員さんです。パソコンで個数を誤入力したんです。とにかく至急お願いします』
「わかった。すぐに行く」
店長は電話を切ると、私に視線を向けた。
「新しい派遣社員は素直に体を開くが、仕事は使えないな。君の方がマシだったようだ。また来る。おとなしくしているんだよ、僕の小鳥ちゃん」
店長がドアに内側から鍵を差し込み、ロックを解除する。次の瞬間、内鍵が外されたと同時に、外側から勢いよくドアが開いた。
「警察です。女性の悲鳴が聞こえたと通報がありました。室内を拝見しても宜しいですか?」
「女性の悲鳴?何かの間違いでは?室内には僕の恋人しかいませんよ」
「恋人?誤報かな?あなたはこの男性の恋人ですか?」
警察官は柔らかな口調で、私に問い掛けた。
店長が鋭い視線を向ける。
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