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「断じて違います。これは私達の話ではありません……」


「pamyuの連載は、桂木先生の『愛に揺れるマーメイド』とする。君が担当してくれ」


「編集長……只野先生は……」


「俺達のことを掲載したくはないんでね。契約解除は君から伝えてくれ。今朝のこともある、理由は何とでも言えるだろう。君自身が解雇されたくなければ、只野先生を切り捨てろ」


「……そんな。あんまりです」


「以上、会議は終了だ。桂木先生にもその旨を伝え、秋には文庫本を出版する。只野先生が契約不履行だと騒げば、この作品では商業価値はないと伝えろ。契約書にもその旨は明記してある。いいね」


「……わかりました」


 これが……業界。

 いや、これが男と女。


 どんなに割り切った交際をしていても、感情が縺れると拗れてしまう。


 只野先生は何も悪くないのに。私達のことで契約解除になるなんて……。


 只野先生の原稿を握り締め、不甲斐なさと悔しさで唇を噛み締めた。



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