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「店長さんがとても心配してました。只野先生がまひるにしつこくするので、まひるが悩んでいたそうじゃないですか。店長さんはそれが原因で、まひるが姿を消したのではないかと仰っていましたよ」


「俺は何もしていない。寧ろ彼女に生卵をぶちまけられた被害者だよ」


「確かにそうですけど。昨日まひるから店長さんに電話があったそうなので、取り敢えずは元気みたいです。これは電話を取り次いだ店員さんから聞きました。まひる、恋人でも出来たのかな」


 彼女に恋人……。

 同棲していたのは担当だが、本当に恋人がいたのか?


「なので、もう少し連絡があるまで待つことにしました」


 担当の携帯電話が、ピロンと音を鳴らす。


「まひるだ!」


「なんだと?」


 携帯電話のメールを読んだ彼女が、安堵の表情を浮かべながらメールを俺に見せた。


「只野先生、まひるからです」


【新しい職場の寮に入りました。家具付きなので、私の荷物は処分して下さい。仕事が忙しいので、当分電話は出来ません。心配無用。】


「なんだ、散々人に心配させて」


「でも……あのまひるが荷物を処分していいなんて考えられないな。十年前の洋服をいまだに持ってるような子です。それに心配無用だなんて、まひるらしくない文章だけど。一応無事みたいだから、まあいっか。どちらにしろ就職先はKAISEIグループの企業ではなさそうですね。私に見栄を張ったのかな。ひとまず、私はこれで失礼します。あっ、只野先生、第二章の原稿は早めにお願いしますね」


「今ソレを言うか」

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